VLAN間通信

VLAN間通信

レイヤー2のレベルで動作するスイッチはルーティングを行うことができないため、VLAN間通信を実現するためにはルータと連携する必要があります。

VLAN間通信を実現する方法として下図にある2種類の方法があります。


VLANの数だけポートと接続する方法

VLANの数だけポートと接続する方法


トランク技術を使用する方法

トランク技術を使用する方法


VLANに対応していないルータと接続する場合、前者の方法を使用することになります。
ただし、ルータ側でVLANの数だけポートを用意しなければならず、あまり現実的ではありません。

逆にVLANに対応したルータの場合、トランク技術を使用すれば、ひとつだけポートを用意すれば良く、効率的な運用が可能になります。

今回は後者のネットワークを構築しながらVLAN間通信を実現する方法について見ていきます。



トランクポート設定方法(スイッチ側)

スイッチのトランクポート設定方法はswitchport mode trunkコマンドを使用するだけで完了です。

Switch# config t
Switch(config)# int fastEthernet0/1
Switch(config-if)# switchport mode trunk


トランクポート設定方法(ルータ側)

ルータ側の設定は少し手順を踏みます。
まず、ひとつの物理インターフェイスを論理的に複数のインターフェイス(サブインターフェイス)として分割します。
次に、分割したそれぞれのサブインターフェイスに対してトランキングプロトコル、VLAN、IPアドレスを指定します。


サブインターフェイスの定義
(config)#interface FastEthernet [ポート番号].[サブインタフェース番号]
※サブインタフェース番号は「1」から使用する。(「0」は物理インターフェイス用に予約されているため使用できない。)

encapsulationコマンド書式
(config-subif)#encapsulation [isl | dot1q] [VLAN番号]
※「isl」はCisco独自のトランキングプロトコル。通常は、IEEE802.1Qを示す「dot1q」を指定する。

Cisco1812J(config)#interface fastEthernet 1
Cisco1812J(config-if)#no shutdown
Cisco1812J(config-if)#interface fastEthernet1.1
Cisco1812J(config-subif)#encapsulation dot1Q 10
Cisco1812J(config-subif)#ip address 192.168.0.100 255.255.255.0
Cisco1812J(config-subif)#interface fastEthernet1.2
Cisco1812J(config-subif)#encapsulation dot1Q 20
Cisco1812J(config-subif)#ip address 172.16.0.100 255.255.255.0


以上で、設定完了です。

Cisco1812J#show running-config
~ 省略 ~
interface FastEthernet1
 no ip address
 duplex auto
 speed auto
!
interface FastEthernet1.1
 encapsulation dot1Q 10
 ip address 192.168.0.100 255.255.255.0
!
interface FastEthernet1.2
 encapsulation dot1Q 20
 ip address 172.16.0.100 255.255.255.0
 ~ 省略 ~


では、「PC A」から「PC 1」にPingを投げてみます。

C:\Users\gran>ping 172.16.0.1

172.16.0.1 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
172.16.0.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
172.16.0.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
172.16.0.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63
172.16.0.1 からの応答: バイト数 =32 時間 =1ms TTL=63

172.16.0.1 の ping 統計:
    パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
    最小 = 1ms、最大 = 1ms、平均 = 1ms

無事に通ります。
このように、VLANに対応したルータと連携することで、VLAN間通信が可能となります。

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